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『午後8時の訪問者』@新宿武蔵野館

これは静かに響いた。受付時間過ぎた午後8時過ぎに診療所に訪れたものの入れてもらえなかった少女がその直後に亡くなり、後悔の念とともに少女の名前と真相を知るために奔走する女医の話。結果そうなったとしても彼女に責任はないのですが(映画の中でも周囲からそう諭されます)、何かに憑りつかれたように真相究明を探る姿はまるで刑事が乗り移ったようです。ただしこのフランス映画はまったく後ろに音楽を入れない愛嬌のない映画でして、なおかつこの女医さんも感情を表に出さない感じで動くので最初は彼女の心の内を理解するのが難しいのですが、終盤にかけてじわじわとくるんですよ。お前は刑事か?って観ているこちらも思ってしまうことを探られてはまずい男たちが彼女に浴びせたり妨害があるものの、微かな奇跡とともにいいところに着地する映画の佇まいが素晴らしいです。ミステリーに終始するだけでなく社会のいろんな側面を見せようとしている社会派映画でもあります。一見地味なこの女優さん。一度魅力に気付けばこの先もいろんな作品で出会いたくなうるような感じでこれからが楽しみです。(といって既に有名だったらごめん)