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無積雪期定山渓ギョウジャニンニク採集山行

いやはや、あっという間に山々の雪は溶け去り、下界には桜が咲き、春の訪れを感じる今日この頃、例の…ココロトキメク山菜が採れる季節がやってまいりました。

そうです、ギョウジャニンニクの季節です。

うーん、ギョウジャニンニク採りを果たして、単体の日記として完成させられるか…甚だ疑問ではあるが、とりあえずやってみよう。

ギョウジャニンニクについて詳しくは、一昨年…拙日記「山菜三昧日記(山菜のススメ)」に書いたので、参照されたし。

http://SNS.jp/view_diary.pl?&id=1943130969&owner_id=1623849

山菜の中でも、ギョウジャニンニクは比較的に見つけ易いと思う(猛毒のスズランと間違わないよ〜にっ)。

まだ、藪が茂る前の早い時期に出る山菜であるから、案外に見つけ易い。

季節的には、エンゴサク(これも食べられる)やカタクリ福寿草が出る頃と同じだから、雪溶け直後という事になる。

植生環境としては、先ず…日当たりの良い斜面という事になるだろう。

意外に、岩ゴロの痩せた尾根筋にあったりするし、大木の根元に大物があったり、水捌けも関係するかも知れない。

案外…メジャーな低山や、市街地近くの人の寄り付かない沢筋にあったりする。

多年草ナノで、昨年採れた場所を覚えておけば、毎年同じ場所に行けば、確実だろう。

拙者も何ヶ所か秘密の畑を持っていて、時期的なズレ(雪溶けの順番)に合わせて、目的地を変えたりしている。

人気の山菜ナノで、ライバルは多い。自分だけの畑を発見し、キープするのは難しいが、山菜マニアは年配者が多いので、険しい谷筋や、奥山の傾斜地が狙い目だろう(ジジイには体力的に難しい場所ね)。

自分だけの畑を秘密にするにも、色々と工夫が必要だ。

なるべく、踏み跡を残さないよう気を配るのは勿論、入山時に見つからないようにするのも大事だ。わざと車を離れた場所に停めたりするプロ(セミプロ)も居るし、家族にすら場所を教えない人も多い。

マーカーを設置するのも、慎んだほうが良い。

下山時の目印にするなら、ちゃんと帰りに回収しよう。

拙者が今回入った山は、比較的入山者が居る山だが、初級者向けの簡単な山だから、余り…山菜の知識のあるベテランは来ないし、初級者は登山道を外れて探索しないし、登山道以外の踏み跡にも気付かないので、拙者以外にライバルは居ない好都合な環境だ。

しかし、とりあえず…登山道を外れるポイントには、踏み跡を残さないよう…沢中を進む事にしたり、気を遣ってはいる。

登山道を外れて歩くには、長靴がベストだろう。

踏み固められた道は無いので、沢に入ったり、藪を漕いだり、倒木に乗ったりするので、比較的…靴底の柔らかい長靴がオススメだ。

服装は、山ブランドの服は止めたほうが良い。藪漕ぎで破れたり汚れたりするので勿体無い。

安物のヤッケか、使い古した合羽で十分だ。

勿論、長袖が基本だ。

山菜の師匠であった…我が父親は、作業服と地下足袋を愛用していた。

登山道なら、登山靴が歩き易いだろうが、道無き道を行く場合は、長靴や地下足袋のように地面の感触を感じ易い…柔らかい靴底が歩き易い。

山菜やキノコを探しながら山を歩くと、登山のように足元を見る事は殆ど無い。

足裏の感覚を頼りに凹凸地形や浮き石、倒木を判断し、バランスの補助には木の杖(ボッコね)か、立木や笹を掴む。

一般的な登山の歩き方のノウハウは、役に立たないと思ったほうが良い。

その間、目は絶えず…地表の山菜やキノコ探索に使われる。

良く山菜やキノコを見つけるのが苦手なヒトが居るが、漠然と山や森を見ていても、目的の物を発見するのは困難だ。

拙者は「山菜eye」「キノコeye」という言い方をするのだが、search(探索)モードでは無く、target(標的)モードで見る必要がある。

つまり、目的の物の特徴(外見的フォルム)を、複雑な植生環境の中に探し出すノダ。

記憶やイメージの中にある山菜やキノコの形と合致するフォルムを、混在する様々な植生の中に探す。

勿論、これは…狙っている山菜やキノコがある場合だ。

だが、大抵の場合…季節や植生環境で、狙うべき対象を絞っている事が多い(勿論、偶然の遭遇もあり得る)。

この季節に山菜採りに向かうヒトは、ギョウジャニンニクカタクリ目的が多いし、それが生えていそうな山へ向かう。

タケノコを採るのに針葉樹林に向かうヒトは居ないように、採集対象の植生条件を理解するのは、山菜やキノコの基本中の基本だ。

さて、雨予報だった空は快晴に近く、春の日差しを浴びた背中が暖かい。

目的の場所へのアプローチの登山道には、所々…残雪があるが、登山道に雪は無い。

久し振りの土の感触が新鮮だ。

登山道上に今日付いた新しい足跡は無い(ラッキー♪)。

沢沿いに暫く進むと、登山道は沢筋を離れ急峻な沢形地形に向かうが、拙者は沢の中に踏み込む。

この沢も、地形図上に沢表記は無い。か細い流れだが、年中涸れる事は無く、雪代が入るこの時期でも、さほど水量は増えない。

枝沢を詰めて行くと100mも行かない内に、すり鉢状の源頭地形になる。

見上げる斜面には、結構な大木もあるが、笹藪は余り濃く無い。

所々、斜面に残雪がへばりついているし、地面の枯れ草もペタリと寝ていて、数日前に雪が無くなった事を示している。

振り返った本流沢向こうの西向き斜面は、未だに残雪がビッシリだ。

灌木の枝や笹に捕まりながら、すり鉢状を登って小さなテラスにザックを下ろし、空身になって偵察に向かう。

笹藪との境界あたりにチラホラと青々とした葉が見える。

まだ、開いていない葉も多い。

この辺りは、株が痩せていて…余り太いサイズは無い。

双葉も少なく、単葉が多い。

すり鉢状の源頭地形だから、雨で腐葉土が積もらずに栄養状態が良く無いのかも知れない。

そこで、源頭地形上部をトラバースしている鹿道を利用して、左手の尾根に乗る。

鹿が幾度も通った踏み跡は、慣れてくると判るようになる。

笹藪の濃い定山渓の山でも、尾根筋や源頭地形を利用して、彼らは上手く移動していて、勉強になる。

登山道を外れて奥山を歩くなら、そこをテリトリーとする野生動物に学ぶべき事は沢山ある。

今年付いた新しい足跡は無かったが、もう少しすると…越冬場所から彼らも戻ってくるだろう。

隣の尾根に乗ると、日当たりの良さそうな斜面上部に上がる。

疎らな笹の隙間に、青々とした特徴的な若葉が沢山あった。

ナイフで鱗茎の上から刈り取って、腰にカラビナで吊したレジ袋の中に入れて行く。

左手にギョウジャニンニクを掴み、右手のナイフで刈り、左手に20本程溜まったら、向きを揃えてレジ袋に入れる。

この時、余計な枯れ葉や枝が入らないようにする。帰ってから掃除する時の手間を減らす為だ。

以前は、指先で千切って摘み取っていたが、時々…勢い余って鱗茎(根っこね)ごと引き抜いてしまうので、最近は刃物を使う事にしている。

刃物で刈り取ると、暫くすると…ニラやネギのように二番芽が出てきて、ちゃんと花も付けるので繁殖の妨げにはならない。

余り成長し過ぎてるモノは、葉を落として軸だけにする(醤油漬けにする時、楽なのだ)。

なるべく、太い双葉物だけを選んで採集する。

何本か固まって太いのがある時は、1〜2本を残しておく。

秘密の畑ナノで、来年以降の収穫の事も考えているのだ。

瞬く間に、レジ袋が重くなり一杯になった。

どうやら、この斜面は大物が多いので、此処を中心にして収穫したほうが良さそうだ。

一杯になったレジ袋を置いて、先程ザックを置いた場所まで戻って、ザックを取りに行く。

ザックを背負って戻ってくると、とりあえず…腹拵えする。

「伝説のスタ丼のタレ」で炒めた豚コマをご飯と海苔で挟んだ…オニギラズを、早起きして作って来た。

山菜やキノコの時は、山ごはんの時間を省く事が多い。

その代わり、こまめに休憩する。

山菜やキノコに夢中になると、平気で2時間ぐらい動きっぱなしになる事が多い。

こまめな休憩時に吸う煙草も、良い羆除けになる。

さてさて、ベースを移したからには、採集に集中しよう。

そこからは、レジ袋が一杯になる度にザックまで戻って、一服しながら採ったギョウジャニンニクを、少し大きめのストックバッグに入れ替える。

その時にも、なるべく…目立つゴミをとっておく。

1時間程収穫しては、移し替えというルーティンを繰り返す。

気がつくと、陽が背後の稜線に近づいて日陰になり始めた。

時刻は…まだ3時だが、谷が深く急峻ナノで陰るのが早いノダ。

移し替えたストックバッグは9個になっていた。

既にザックはパンパンだ。

余り採りすぎても、掃除や保存処理が大変だ。

今日は、このぐらいにしておこう。

本日の収穫を前に、一服すると…そこはかとなく至福感に包まれる。

労力の対価としての収穫だが、山の恵みへの感謝の念を忘れてはならない。

帰り道、沢に下りると羆の食餌痕があった。

冬籠もり明けの…この時期、彼らは沢沿いに動く事が多い。

今年は、道北でギョウジャニンニク採りのオジサンが襲われていたので、山に入る方は…お気をつけて。

帰宅後、半分ぐらい掃除して保存処理をしたが、ビールが飲みたくなったので、ギョウジャニンニク祭りの夕食にした。

定番の、ジンギスカンとナムル、酢味噌和えにして、ごくごくと共に。

春の味覚に、カラダが喜んでいる。

…んが、9時前に既に眠くなった。

登山とは違い、山歩きは疲れるノダ。

心地良い疲れと酔いの中、ギョウジャニンニクの匂いに包まれながら眠りに就いた。

以上、ギョウジャニンニク採り日記でした。

皆様の参考になるよう、拙者なりのノウハウや注意事項を併記しましたが、あくまでも…拙者なりのやり方であり、一般的なノウハウとは差異があると思われます。

ギョウジャニンニク畑の場所は、タイトルにある通り「定山渓」でありますが、詳細については御勘弁下さい。

お知りになりたい方は、個人的にメッセージでリクエスト下さい。

来年以降の収穫への配慮をいただけるなら、お教えする事もやぶさかではありません。

おわり。

【写真…ギョウジャニンニク近影&収穫】